CMSの選定について(総論)

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ホームページは1度公開したらそれで終わりではなく、むしろその後の更新作業が重要になります。制作会社に依頼せずともお客さまご自身でサイトを更新できるツールとして、今やCMSはホームページの運用に欠かせません。その一方で「様々なCMSが出ているけれども、どれを導入するのがベストなのか分からない」といった相談や、「CMSはWordPressを入れておけばOKでしょ?」といった声も聞かれます。
本稿ではCMSの選定基準について、簡単にご説明いたします。

観点1:CMSが本当に必要なのか?

いきなり本質的な質問なのですが、御社のホームページでは、本当にCMSを必要としているのでしょうか?例えば想定される更新作業が年に1回程度など極端に少ない場合、敢えて「CMSを入れない」という選択肢もあります(この場合、更新は制作会社に依頼する形になります)。
こうすることで初期制作費を安価に抑えることができ、またサーバー上で動くプログラム(CMSも含まれます)が存在しないので、セキュリティ上のリスクも低減することができます。
但しそうは言いながら、「本当に年に1回更新するだけで良いのか?」は、最初の段階でよくよく検討しておく必要があります。

「どうしても更新しなければならない情報だけ更新する」という消極案ではなく、「せっかくホームページを公開しているのだから、様々な情報を各所に発信していく」という積極案があっても良いでしょう。例えば「特定の事業者向けに、その業務に関わる企業だけが参照するホームページ」の様な、公開目的と用法が極めて限定的なホームページではない限り、むしろ積極案が前提であるべきです。

観点2:ホームページ全体の規模、システム要件、アクセス数の推定、サーバー環境など

CMSの導入が決まったら、次のステップは「どのCMSを導入するか」になります。正直な話、これについては「どのCMSが1番安上がりか?」で決定されてしまうことも多々あるのですが、本来は「ホームページ全体の規模、そのホームページに求められるシステム要件、アクセス数の推定及びサーバー環境」などの要因で決めるべきことと思います。

また可能であれば、「そのホームページの将来性」と言いますか、「どんなホームページにしていきたいか」という方向性も見据えて検討できると良いでしょう(これはホームページに限った話ではなく、事業構想とその未来予測に関わるお話でもあるのですが…)。

大概は「WordPressでOK!」だったりするのですが、全体のページ数が1,000ページを超える、例えばイベントの申し込みサイトなどで申し込みの開始直後のみアクセスが急増する、ホームページ上で何らかの取引を行っており、ホームページが稼働しないと企業の存続に関わる(ミッション・クリティカル)…などの場合、WordPress以外も有力な候補になってくるかと思います。

また検討する際に注意が必要なのは、「サーバー環境」です。
これは中小企業様のホームページでは見過ごされがちなのですが、サーバーのスペックやOS、ミドルウェアのバージョンなどによって、様々な制約を受ける可能性があります。
特にWordPressの使用を想定している場合、PHPやMySQLなどのバージョン、及びアップデートの可否などについては、必ず確認しておきましょう。

観点3:維持していくためのコスト

論点2の検討事項と共に、この「CMSを維持していくためのコスト」も、CMS選定の重要な判断基準です(ここでは金銭的な意味でのコストのみではなく、「手間」や「工数」という意味でのコストを含みます)。
CMSを導入しホームページを公開した後も、例えば「CMSプログラムのアップデート」などの手間が発生します。また有償のCMSの場合、そもそもこの「最新版」を入手するためには、年間での継続利用料が発生する場合が殆どです。制作会社に「保守」を依頼した場合も、同様に料金が発生することになります。
これらのコストを懸案し、受容できるか否かも、CMS選定の際の大きな判断材料となるでしょう。

主な観点は以上の3点ですが、この他にも例えば「他の制作会社でも対応可能そうか?(万が一制作会社を変える場合でも、問題なく他社で扱えるか?)」などのポイントが考えられるでしょうか。

また「仕様要件として特殊な仕様があり、それを実現できるか」という論点も考えられます。いずれにせよベストな選択をお客さま側の判断で行うことは難しいかと思いますし、そうであればこそ制作会社側の提案やアドバイス、または信頼感などが重要になってくるかと思います。
制作会社が持ってきた提案を、この3つの論点でチェックしながら、検討を進めていただければと思います。

次回からは数回に分けて、WordPressなど主要なCMSの特徴やメリット・デメリットなどを紹介していきます!

Author of this article

千野 朋樹

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