第5回 上記以外のCMS

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CMS

日本ではあまりメジャーではありませんが、オープンソースで利用に関して料金がかからないCMSは、他にも「Drupal」や「Concrete5」等があります。特にDrupalは、海外での利用が多く、かつてはアメリカのホワイト・ハウスのWebサイトで使われていたことでも知られています(現在のホワイト・ハウスのサイトでは、WPが使用されている様です。WPに移行した要因としては、コストの問題が大きかった様です。トランプ大統領の頃に、WPに変更されました。トランプ大統領がこの変更に関してどの程度関与しているかは不明です)。同サイトの年間維持費は、約600万ドル(現在のレートで日本円に換算すると、約9億円)にも及んでいたそうです。「Drupal」は海外の公的機関での利用が多いイメージがあります。

Concrete5」は、個人的には(登場するのが)早すぎたCMS…というイメージがあります。記事の編集/更新システムはリリースされた時期を考えると、当時としては他のCMSの半歩先を行っていた気がします。
またグラフィック関連のソフトウェアで知られるAdobe社も、「Adobe Experience Cloud 」のサービス名で、CMSを提供しています。
CRMツールとして知られるHubspotからは、「HubSpot Content Hub」というCMSが提供されています。

その他の国産CMS

また国産のCMSは他にも、「Noren」や、「HeatCore」等があり、これらは主に大企業やナショナル・ブランド等、比較的規模の大きなサイトで利用されています。

更に国産のCMSとしては、オープンソース且つ無料で利用できる「baserCMS」や、名古屋のWeb制作会社 アップルップル社が開発・販売している「a-blog cms」等もあります(こちらは無料ではなく、ライセンス料金が発生します)。

これらのCMSは、日本人が開発を続けており、何か不明な点があった場合、日本語で問い合わせ出来るというのが心強い点でしょうか(これはMTPowerCMSでも同様ですが)。
baserCMS」は、(機能的に出来ることが限られているため)構成がシンプルなサイトでの利用に適しています。

更に「a-blog cms」の場合、構築時にPHPを記述することが無い為(管理画面を含めたテンプレートは基本的にHTMLCSSだけで作成する)、CMSの実装者による、思いがけないセキュリティホールの作成を防ぐことが出来ます。

a-blog cms」は、一部の開発者からは熱狂的に支持されています。
またフォーム等の機能は、基本機能の中に組み込まれているため、プラグインを使う機会が殆どありません(尤もプラグインの数自体がマイナーなCMSの故か少ないですが…)。この為WPの様に、プラグインに悩まされるということは殆ど無いでしょう。

baserCMS」や「a-blog cms」は、国産の強みはありますがいかんせんマイナーなCMSの為、利用されているサイトもまだまだ少ないと思われます。昔いた会社で、「WPですとセキュリティ的に心配なので、baserCMSを使いたい」と仰られたクライアントがおりましたが…。「baserCMSなら安心で、WordPressなら不安だ」というのは、偏見だと思いました(baserCMSでも開発者が思いがけずセキュリティホールを作ってしまうことは考えられますし、WPも開発者が細心の注意を払えば安心して利用できると思います)。

またECサイトの構築に利用される「EC-CUBE」や「Shopify」等も、CMSと言えるでしょう(Shopifyに至っては全世界で利用されているCMSのうち、約6%のシェアを誇っています。国内での利用率も国産のEC-CUBEを抜いて、ECサイトの構築用CMSとしてはトップです(EC-CUBEはCMSを導入しているサイト全体の1.6%で、Shopifyは全体の2,8%を占めています…2024年4月の調査結果:出典 https://trends.builtwith.com/cms/country/Japan)。

Author of this article

千野 朋樹

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