主要なCMSの特徴(Movable Type編)

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CMS, 業務日誌

3回目の今回は日本で開発されているCMSである”Movable Type”についてご説明しましょう。

このMovable Type、元々はアメリカで開発されたCMSだったのですが、現在は日本のSix Apart社がアメリカのSix Apart社よりMovable Typeに関する全ての権利と、Six Apartブランドの譲渡を受け、日本のSix Apart社で開発が進められています。有償のCMSとしては国内でのシェア率が高く、50,000以上のサイトで使用されています(特に大学では利用率が高い…国立大学の約80%超、日本国内にある全ての大学のうち約54%で利用されています)。

MTの特徴

Movable Type(以後通称であるMTと記します)の特徴としましては、WPと異なり、静的(スタティック)なサイトを制作できる…という点に尽きるでしょう。静的であるということは、つまりどういうことかと申しますと、実態のあるHTMLファイル等を出力できる…ということです。WPはサイトにアクセスが発生した時点で、PHPでページのデータを作成する形になります。MTHTMLファイルを書き出すので、一般論としてアクセスが増えた時に強く、またユーザーへのレスポンスもWPより早い…ということが言えます。その代わりMTでは「再構築」と呼ばれるHTMLの書き出し作業が必要になります(下図参照)。

MTの料金体系

またMTは「有料」とは言え、様々なバージョンがあり、その料金も変わってきます。

例えば一般的なサーバーにインストールするタイプ(ソフトウェア版)ですと、\99000(税込)
の費用が初回に発生し、初回購入後にプログラムの最新版を利用するためには、年間ライセンス(\33,000/税込年額)が必要になります。この他にSaaS型のサービスである「Movable Type.net」等もあり、こちらは(コースによって料金は異なりますが)最も費用が安価なライト・コースですと、年額で\27,500の費用が掛かります。

この他にもMTには「クラウド版」があり、その料金はプランによって異なりますが、\5,500\237,600です。こちらは初期費用はゼロで、年間ライセンスも不要です。尚ソフトウェアのアップデートは自動的に適用される為、手動でのアップデート作業は不要です。またこちらはサーバー込みの料金となっているため、サーバーの利用料金も不要です(この他にはドメインの取得費及び維持費のみが発生します)。

更にMTには、Premiumバージョンがあります。これは主にエンタープライズ案件向けに機能強化されたバージョンで、初期費用\825,000、年間メンテナンス料が\242,000となっております。こちらのバージョンではひとつのサーバーにのみインストール可能な通常版と、複数のサーバーにインストール可能な「Advanced Editon」があります(初期費用と年間メンテナンス料はそれぞれ通常版の倍になります)。また教育機関向けにはアカデミック版が用意されており、教育機関は通常よりも安価に導入できます。

またクラウド版にはAWS用のAMI(Amazon Machine Image)版もあります。

以上を導入するための費用についてざっと説明してきましたが、次に機能面について解説します。
MTはWPほどプラグインが色々とある訳ではありません(WPですと痒い所に手が届くプラグインも多い印象です)が、それでも有志によるプラグイン開発は(細々とですが)継続しています。
そもそもエンタープライズ案件での利用が多いこともあり、プラグインも規模の大きなサイトでの利用を想定したものが多い印象です。

総合評価
機能性★★★★☆(やりたいことを実現するためには、何かとお金がかかるかも知れない)
導入のしやすさ★★★★☆(MTの特性を理解し、マトモに扱える制作会社が少ない印象)
安全性★★★★★(システム面の保守は制作会社にお願いするのが良いですね)
安定性★★★★★(まずは安定的に動作するでしょう)

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千野 朋樹

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